大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)1929 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

各被告人の弁護人沢邦夫同毛利与一の上告趣意は添付別紙記載のとおりである。

同第一点について。

所論の引用する二つの大審院の判例は、横領罪の占有とは支配を意味するもので

あつて、必ずしも物を現実に所持することを意味するものでないことを示したもの

である。そして原判決は「被告人Aは被告人Bを責任者として旧C製作所に派遣し、

同年二月九日頃から数日間を要してトラツク等により同所から棒鋼、鋼線、亜鉛引

鉄線亜鉛引鉄板錻力板、鋼板等合計六十一瓲二百五瓩を大阪市a区bc丁目d番地

所在の同会社関目工場外二ケ所に引取り……被告人A及び同Bにおいて爾後右引取

物件の整理保管の責に任じきたり」と判示し、被告人両名が判示(一)乃至(三)

摘記の引取物件を占有していたことが判文上明らかであるから、前記各判例に反す

るものではない。論旨は理由がない。

同第二点について。

原判決は第一審公判調書中の証人C及び同Dが、兵政総第一二二五号造兵廠施設

転換利用手続要領に関する件通牒の写を通じてなした各供述記載並びに証人Eが昭

和二〇年一一月二四日付内務省発調第一六一号特殊物件中原材料ノ配分ニ関スル件

の写、昭和二一年四月六日内務省発調第五五一号特殊物件中原材料等ノ経理的措置

ニ関スル件の写を通じてなした供述記載を証拠としたものであつて、右各通牒の写

自体を証拠としたものではない。所論の違憲の主張はその前提を欠くから、とるこ

とができない。

同第三点について。

論旨は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条に該当しない。

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また、記録を精査しても、刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて刑訴施行法三条の二刑訴法四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和二七年一月二二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 小 林 俊 三

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